連絡網の思い出
今って、連絡網ってあるのだろうか。
学校の連絡(台風で今日学校無いとか)を電話で情報伝達するあれである。
俺は1994年生まれだが、
少なくとも中学生まではしていた記憶がある。
別に親が連絡してもいいはずだが
「子どもが受けて子どもが次の人に回す。」
といったような原則の流れがあった。
携帯なんてもっていないのだから、
クラスメートに連絡するのには勇気がいる。
でも少しだけワクワクすることもある、
俺の名前はあいうえお順により、男子の最後だった。これがちょっとラッキーだった、出席番号で電話していくから、大体の場合自分が電話する相手は女の子なのだ。
その子に好意があるないに関わらず少し緊張し、楽しみになる。
電話したその女の子は双子の姉妹で、
どちらだったかは忘れたし、顔もそっくりだった。どっちとも学校で話したことはほぼなかったと思う。
気持ちとは裏腹に電話してもなんてことはなく、ただ要件を言うのだ。
でもそこで何か言いたくて、
普段だとクスリともしないような、
くだらない言葉を付け加える。
そうすると相手は少し笑う。
初めてその子の笑い声を聞くのだ。
そしてその後少しの間だけ、
自分が電話で話した相手が双子のどっちだったかを認識する。
こういうことが詰まっているのが子ども時代、
そりゃふと懐かしくなるよなぁと思うのだ。