もう二度と来ない夜中
カレーを始めて食べた時のことなんか覚えていないみたいに、何にも覚えてない。
何かに感銘を受けて決意を新たにしてもその時のことはだんだんと忘れて消えていく。
色んな感情をずっと保持できていたら、もっと自分は清くて人に恥じないものになれていただろう。
清く無さが無自覚で本能的なうちはまだ良いが、堕ちた自分を認知して受け入れてしまったら、清くなさはもう洗っても消えないのかもしれない。
色んなことを忘れてたから、
もう自分は多くの人から応援されるような
エンターテイメント映画の主役にはなれない
せいぜい単館系映画のうだつの上がらない日々を送るとかいう青年。
エンターテイメントならそこで奮起し
新たな自分と出会うわけだけれど、
単館系だから変わらないことを選ぶのだ。
そしてそれは変わらない人たちの救いになるってやつ。
なんて、単館系のことを語れるほど知らない。
俺はあと何回こんないたたまれない気持ちの夜を過ごさないといけないのだろう。
でもそれが無くなると寂しくなるし、そんなことを繰り返してどうにもならないうちに今が過ぎていく。
今日も夜中が来てしまった。