たえちゃん
昨晩からある女の子のことを思い出す。
理由はよく分からないが。
小学生の頃の話だ。
僕は特定と誰かと仲良くするのが苦手だったのか、約束をするのが苦手だったか。
下校する時の相手を特に決めずに帰っていたと思う。
しばらくはそんな感じで日々を送っていたのだが、なんの偶然が「たえちゃん」と一緒に帰る時があった。
大変気の強い子だった。
たえちゃんは僕と帰る方向は一緒だが、規定の下校ルートが違っていた。
だけどたえちゃんにとってはそんなことは御構い無し。
こっちに来い!っと言われて一緒に帰っていた。
今読むといじめられてるみたいだが
たえちゃんの家より僕の家の方が奥にあって大して距離的には問題がなかった。
ただちょっと口調が強かっただけだ。
何を話しながら帰ったかなんて忘れたが、
何回か、いや、何回もたえちゃんと帰ったと思う。
こっちに来い!
と言われて曲がって入った道は人通りはそんなに多くもなく2人からの場面が結構多かった。
そんな状況も相まってかある日
うちはお母さんの前では結構甘えん坊なんだ。
と、たえちゃんは教えてくれた。
なんでそんな話になったかも分からないけど、
それがすごく嬉しかった気がする。
いつもツンケンしてる女の子の可愛い部分を見たようで。
今考えればたえちゃんはツンデレを既にマスターしていたのかな。すごい。
その頃の僕はたえちゃんの顔も結構好きだった。
でも、恋愛的に好きだとかそういうのが芽生える前の話だったから初恋とかでもない。
純粋な好意をたえちゃんに持っていた。
一緒に帰るのが続いたのは小学生の3、4年生までだったと思う。
たえちゃんはそのあと自分が通っていたテニススクールに来たり中学の塾が一緒だったりと何かと居る場所は同じだったが。あんまり話をした記憶がない。
1番話していたのは小学生の時だったと思う。
中学の時はほとんど話をした記憶はないし。
大学のときに
地元のカラオケですれ違った時は
お互い話しかけなかった。
たえちゃんは
あいつ同じ中学でさ〜みたいな話を
一緒に来ていた友達に言っていた。
何をわざわざ言ったんだろう。
なんとなく話し掛けない方がいいと思って黙っていたけど。
たえちゃんは頭も良かったし。スポーツもできた。いい高校にも行っていた。はず、
それ以降の進路はよく知らない。
元気かなぁ、
なんか少し気になるんだよな。
気が向いたらちょっと会いたいような。
いや、もうこのままにしときたいようなそんな感じ。